同飯出勤

サークルの卒業生追い出しコンパに誘われたのだけど、留年経験あり5回生で卒業するのは私だけらしく、なんだか心細いので、ちょうど修士課程を卒業するところの先輩に泣きついて、一緒に来てもらうことにした(マイダーリン☆フォーエバーはバイト)。同じサークルに属する彼氏とは共通の友人で、顔も男前だけど心意気はまさに漢の一文字だぜ。


せっかく誘ってもらったんだから殊勝な気持ちで参加すればいいものを、電話口で先輩が「どうせなら度肝を抜こうぜ」と言うものだから(たぶん電話の向こうは歯磨き粉のCMみたいな爽やかな笑顔なのに違いない)、調子にのってやりすぎた。


予定より早めの時間に迎えに来てくれた上、ドレスの色とネクタイを合わせてくれた紳士な先輩と天神に向かった。てんちかの真ん中を颯爽と歩く素敵コンビの私たちをみんなが避けて通るような気がするのは、ウン!気のせいだ。


大丸のカバ前にはサークルの仲間たちが待っていた。やあ、おいでよ、君が来るのを待ってたんだっていうような顔をしている人はひとりもいなかった。なんだか、すごく面白いものか、すごくかわいそうな人を見るような目、の、ような。っていうかあの、先輩方写メとるのはやめてください。指をさすのも人道的にだめだから。


富豪刑事みたいだよね。あ、あと、ホスト?」


それは私たちのヴィトン使いがちょっとだけ下品だったとか、ピンクに黒いベロアで縁取りがしてあるドレスや黒い毛皮のハーフコートとか、そういう外的要因のせいだと考えられるけれども、なんというか、私の心は少し傷ついた。そしてその結果、―なんだかもう、周りから浮いてもいいやと思った。郷里で私のことを心配してくれている妹よ、ごめん。おねえちゃんは相変わらず集団に馴染めていないよ。


こういう場ではお名前は出せませんが、先輩!ありがとう。先輩ハニーおすすめの店の紅茶、とってもおいしかったです。今度またみんなで行こう。