卒業式が複数あったら紛らわしいだろう?

今日は卒業式でしたよ。海老と犬と学校行事は吐きかける唾もでないほど嫌いな私ですが、人より一年遅れての卒業だから、それなりに嬉しい。謝恩会まで去年済ませてしまったのでなんだか「またかよ」っていう感じもあるけれどもね。


前日夜も遅くに佐賀の実家に戻り、当日朝は六時起き、七時から美容院で、八時から呉服屋で袴の着付け、八時四十五分の電車で博多まで出て、十時には学校全体の卒業式が始まるというげっそりするようなスケジュールで、最後のほうはもうなんだか間に合わない感がただよってたけれども、やっぱり遅刻した。で、あれは、遅刻すると入場できないんですね。たいして広くもない講堂に卒業生全員が入るわけがないし。しようがないから、講堂の前に知り合いでもいないかと思ってうろうろしたり電話をかけたりした。けっこう、みんな入れなくて講堂前にいたから、思いがけず後輩や友人から花をもらったりしてとっても嬉しかった。


修士課程を卒業する某先輩がつかまったので、もう一人の学部卒業の友人/先輩も捕獲すべく電話するけれど、いっこう出る気配がない。前者の先輩ならともかく後者(蔑称は殿下)がまさか卒業式に出ているとも思えず、たぶんまだ家で寝ているんだろうなくらいの話になっていたのに、思いがけず本当に式に出ていたらしい。なんだかな、あの人ほんと何考えてるのかわかんないや。なんだか、朝六時から準備したのに、負けた気がしたよ。悔しいから講堂の階段下で待ち伏せ。「殿下降りてきたかな?」「あんな人がたくさんいて殿下が見分けられるかなあ。砂漠の中からたった一粒のダイヤモンドを探すみたいなもので…」「いや大丈夫だって。殿下はデビアスだから」「あそう」「そうですよね」見つかった。


それで、彼氏も含めて四人で箱崎宮あたりまでスープカレーを食べに行く。そういう話になったのが十一時半ごろで、自分の学部の卒業式が十二時開始だから、「ああこれはまずいな」と思いつつカレーをすすっていたのだけれど、目の前の先輩たちは辛さのあまり男前な顔に汗をだらだら垂らしながら「アベノセイメイ(漢字は知らんが)式占星術」なんかをまわし読みしていて、私の遅刻はより完璧なものとなった。ほとんど式も終わりという段になってこそっと式場に入り、卒業証書を本籍地から読み上げられる恥辱を与えられた。与えられてしまった。


指導教官とのお茶会を適当にやり過ごして、彼らとコーヒーを飲んだり、お酒を飲んだりして、その日の夜を過ごしたのは、別に珍しいことじゃなかったけれど、こういう区切りの日を好きな人たちとだけ過ごせるっていうのは幸せだなと思った。ありがとう。こんな、彼らの目に付かないところにこっそりと書く。